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SIM方式の英文法 その15

~ 形の上では区別できない形容詞句と副詞句 2  ~


前回は、前置詞句のお話しをしました。

前置詞句は「前置詞+名詞」でできていますが、この前置詞句が、ある時は
形容詞句になり、ある時は副詞句として使われています。

その区別はいったいどういう風にしてつけるのか、というお話しでした。

結論は何でしたか…?



はい…、それは、文章の前半を訳してからでないとわからないということでし
たね。

たとえば、in my pocket という前置詞句。

これは形容詞句なのか、それとも副詞句なのか、見ただけではわかりません。

これが文の中で使われて初めて、それが決まります。


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    I have a card in my pocket.

        ↓ ↓ ↓    

    私はカードを持っています/私のポケットの中に。

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文章の前半が「私はカードを持っています」なので、「ポケットの中に」と
訳が確定します。つまり副詞句になります。

この場合のin my pocket がどうして「ポケットの中の」という形容詞句に
ならないのかというと、それは前文の意味からしてそうなるのです。


では、これと逆の場合を見てみましょう。

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    It is a card in my pocket.

        ↓ ↓ ↓    

    それはカードです/私のポケットの中の。

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この場合も、「ポケットの中の」と訳される形容詞句になる理由は、前文が
「それはカードです」なので、当然、形容詞句としての訳が導き出されるわけ
なのです。



つまり、外見上、全く同じ形をしている前置詞句が、はたして副詞句なのか
形容詞句なのか判断ができるのは、その前の語句の意味がわかっているからだ、
ということです。

ということは、英文を文頭から訳さなければ、その前置詞句が、副詞句か
形容詞句かはわからないということですね。

ですから、学校で教わる「返り読み」のように、文の後部にある前置詞句から
先に正しい訳をする事はまず不可能ということなんです。

ここまでは前回お話ししました。



では今日は、この点を少し突っ込んでお話ししましょう。

実は、英文にはこのような前置詞句が沢山使われますが、この前置詞句をうまく
処理できなければ英文は読めない、といっても言い過ぎではないんです。

そして前置詞句をうまく処理するためには、「返り読み」などせず、英語を
「英語の語順」で頭から訳していくことがどうしても必要なんです。


たとえば、次の英文を見てください。

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 This is my first assignment to the LA office.

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まず、英語の語順で頭から訳してみてください。

いかがですか?

前文は「これは私の最初の赴任だ…」ですね。

すると、どうなりますか?

はい、ごく自然に「LA事務所への」という「赴任」を修飾する形容詞句という
ことになりますね。


では、次の例文はどうですか?

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Mr.Thompson has sent a very important document to the LA office.

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「トンプソン氏は、私に非常に重要な書類を送った」ですね。

すると to the LA office の意味は、おのずから「送った」を修飾する副詞句
として「LA事務所に」になります。

間違っても「LA事務所の」にはなりません。



このように前置詞句であることは目で見てはっきりわかりますが、この前置詞句
が形容詞句か、副詞句かという文法上の最終判断は、訳をしなければわからない
んです。

これを私は、訳してみなければわからないという意味で、「見えない英文法」と
名付けたいと思います。

ところが、この「見えない英文法」を全く無視するのが、先に少し触れましたが
いわゆる学校英語の英文法なんです。

この点が全くおかしいので、生徒は非常に混乱してしまい。結局、英語は難しい
ということになってしまったんです。

どこがどうおかしいかというと…


         …それはまた次回ということで。

  
                   …お楽しみに! (^o^)/
by danueno | 2006-08-16 15:52 | SIMうんちく


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