~ 形の上では区別できない形容詞句と副詞句 2 ~
前回は、前置詞句のお話しをしました。 前置詞句は「前置詞+名詞」でできていますが、この前置詞句が、ある時は 形容詞句になり、ある時は副詞句として使われています。 その区別はいったいどういう風にしてつけるのか、というお話しでした。 結論は何でしたか…? はい…、それは、文章の前半を訳してからでないとわからないということでし たね。 たとえば、in my pocket という前置詞句。 これは形容詞句なのか、それとも副詞句なのか、見ただけではわかりません。 これが文の中で使われて初めて、それが決まります。 ------------------------------------------------------------ I have a card in my pocket. ↓ ↓ ↓ 私はカードを持っています/私のポケットの中に。 ------------------------------------------------------------ 文章の前半が「私はカードを持っています」なので、「ポケットの中に」と 訳が確定します。つまり副詞句になります。 この場合のin my pocket がどうして「ポケットの中の」という形容詞句に ならないのかというと、それは前文の意味からしてそうなるのです。 では、これと逆の場合を見てみましょう。 ------------------------------------------------------------ It is a card in my pocket. ↓ ↓ ↓ それはカードです/私のポケットの中の。 ------------------------------------------------------------ この場合も、「ポケットの中の」と訳される形容詞句になる理由は、前文が 「それはカードです」なので、当然、形容詞句としての訳が導き出されるわけ なのです。 つまり、外見上、全く同じ形をしている前置詞句が、はたして副詞句なのか 形容詞句なのか判断ができるのは、その前の語句の意味がわかっているからだ、 ということです。 ということは、英文を文頭から訳さなければ、その前置詞句が、副詞句か 形容詞句かはわからないということですね。 ですから、学校で教わる「返り読み」のように、文の後部にある前置詞句から 先に正しい訳をする事はまず不可能ということなんです。 ここまでは前回お話ししました。 では今日は、この点を少し突っ込んでお話ししましょう。 実は、英文にはこのような前置詞句が沢山使われますが、この前置詞句をうまく 処理できなければ英文は読めない、といっても言い過ぎではないんです。 そして前置詞句をうまく処理するためには、「返り読み」などせず、英語を 「英語の語順」で頭から訳していくことがどうしても必要なんです。 たとえば、次の英文を見てください。 --------------------------------------------------------------- This is my first assignment to the LA office. --------------------------------------------------------------- まず、英語の語順で頭から訳してみてください。 いかがですか? 前文は「これは私の最初の赴任だ…」ですね。 すると、どうなりますか? はい、ごく自然に「LA事務所への」という「赴任」を修飾する形容詞句という ことになりますね。 では、次の例文はどうですか? ------------------------------------------------------------------- Mr.Thompson has sent a very important document to the LA office. ------------------------------------------------------------------- 「トンプソン氏は、私に非常に重要な書類を送った」ですね。 すると to the LA office の意味は、おのずから「送った」を修飾する副詞句 として「LA事務所に」になります。 間違っても「LA事務所の」にはなりません。 このように前置詞句であることは目で見てはっきりわかりますが、この前置詞句 が形容詞句か、副詞句かという文法上の最終判断は、訳をしなければわからない んです。 これを私は、訳してみなければわからないという意味で、「見えない英文法」と 名付けたいと思います。 ところが、この「見えない英文法」を全く無視するのが、先に少し触れましたが いわゆる学校英語の英文法なんです。 この点が全くおかしいので、生徒は非常に混乱してしまい。結局、英語は難しい ということになってしまったんです。 どこがどうおかしいかというと… …それはまた次回ということで。 …お楽しみに! (^o^)/
by danueno
| 2006-08-16 15:52
| SIMうんちく
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