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 「語順の問題」とリスニング

日本人に最適の英語学習法  その9

         「語順の問題」とリスニング
  


「SIMうんちく」は、このことろ「日本人に最適の英語習得法」
 というテーマでお話しています。


 ちょっと前回の復習をしましょう。

 前回は、Jumpを聴く時の注意すべきポイント、というお話でした。

 内容は、元の英文 Jumpを聴く時、「返り読み」的発想に戻らない、
 ということでしたね。


 Jumpの段階では、あくまで文頭からセンスグループごとに、
 意味を瞬間的にとらえていくように、特に気を付けなければ
 なりません。


 それに、たいていの学習者がしている英語の学習とは、
 Hop,Skip&JumpのうちのJumpだけを聴いているのと同じだ、
 というお話もしました。

 つまり、英語をそのまま繰り返し何度も聴いているだけ、
 ということです。


 これでは、リスニング力はなかなか身に付きません。

 それでは「語順の問題」が全く解決されていないからですね。


 Hopと Skipで「語順の問題」を解決してから英語を聴かなければ、
 実は何の意味もありません。


 結局、Hopと Skipが決定的に大切なのだ、ということでしたね。



 …以上が、前回の復習です。

 今日は、ここからです。


 今回は、「語順の問題」とリスニングとの関係について、
 もっと踏み込んだお話をしましょう。


 そもそも、リスニングにおいて、「語順の問題」がなぜ、これほど
 重要なのか、それは、日本語と英語の根本的な差異によります。


 そして、日本人がなぜ、これほどまでに英語を聴き取るのが
 困難なのか、その理由も「語順の問題」に帰結するのです。



 いつか5文型のところでもお話ししましたが、
 5文型のそのひとつひとつ見てみると、すべての文型がまず、
 主語(S)+述語動詞(V)ではじまることがわかります。


 つまり、英米人の発想の根本は、S+Vなのです。

 そして、この部分の意味内容が、それから後の語句を決定する力を
 持っているのです。


 したがって、この部分を他の部分から取りだして、まず考えることが
 極めて大切です。

 これが「ネイティブ思考法」を身につける重要な鍵の一つになります。


 ジャック・ハルペンという日本語弁論大会で優勝したことのある
 ユダヤ人がいますが、この人が書いた『日本と日本語大論争』という
 本には、大変参考になることが書いてあります。


 彼はドイツで生まれ、ヨーロッパを転々と追われて生活しなければ
 なりませんでした。

 次々に違う国で生活するには、その国のことばを覚えなければ
 生きていけませんでした。


 そういう厳しい現状の中で、ドイツ語をはじめヨーロッパの言語を
 何か国語も覚えたのです。


 あるとき、イスラエルのキブツ農場で日本人に出会い、それまで
 自分が覚えたことばとは全く違う日本語に接して、彼は日本語に
 魅せられ、日本へやって来たのです。


 そして日本語をマスターして、何冊も本を書き、漢字辞書さえ
 出版したそうです。

 その彼が日本語で最も難しかったのは、「動詞が最後に来る事だ」と
 言っています。


「僕が使っている言葉はいつも動詞が先に出たがっていると言うか、
 言わないではいられないんです。

 これは深い本能的な意思、反応なんです。物事を考える時に、
 動詞を先に出すのは僕たちの本能みたいなものですが、日本語では
 それが逆になるので頭の中でとてもひっかかるんです。」

 …と言っています。


 ここには、日本人が英語を学ぶ上で障害になっている問題を、
 根本的に解決するカギが隠されています。


 では、そのカギとは何でしょうか?



 この続きは、また来週お話しします。


      …お楽しみに! 
by danueno | 2011-08-31 16:31 | SIMうんちく


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