人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人生を変える言葉

ひとつの言葉が、人生を変える場合があります。
 いや、人間の生死まで決定してしまう場合すらあります。

 歯磨きや石けんで有名な「ライオン」の創始者である、
 小林富次郎さんの場合もそうでした。

小林さんはとても熱心なクリスチャンで、
「法衣を着た実業家」と呼ばれていました。


 そもそも、小林さんが信仰を持ったきっかけは、
 ある劇場で催された聖書の伝道集会でした。

 その時、小林さんはまだ信仰者ではなかったのですが、
 出席していた伝道集会の途中で、妨害しようとする若者が騒ぎ出し、
 場内は騒然となりました。


 そこに、柔道の教師をしているというクリスチャンの大男が
 控え室から出てきたので、小林さんは、「きっと腕ずくで
 暴徒をつまみ出すのだろう」と成り行きを見守っていました。

 ところが、予想に反して大男は暴徒たちの前に出ていくと、
 ひたすら頭を下げて、静かにしてくださいと頼み込んだのです。

 これを見た小林さんは、「これが聖書の精神か」と深く感動し、
 イエス・キリストを信じる決心をしたそうです。


 その後の小林さんの人生は波瀾万丈でした。

 ある時、マッチ製造の事業を始めようと、全財産をはたいて
 宮城県石巻に大規模な工場を建てました。

 工場にはフランス製の機械を導入し、北海道で
 マッチの軸木になる木材を購入しました。


 ところが洪水によって一年分の原木が流され、
 工場も水浸しとなってしまったのです。

 再起のために日夜奔走しましたが、うまく行かず、
 進退窮まった小林さんは、とうとう自殺を決意しました。

 ある晩、北上川の橋の上たたずみ身を投げようとしたその瞬間、
 小林さんの心に、稲妻のように次の言葉がひらめきました。


 ---------------------------------------------------------

  すべての訓練は、そのときは喜ばしいものではなく、
  かえって悲しく思われるものですが、後になると、
  これによって訓練された人々に平安な義の実を結ばせます。

----------------------------------------------------------


 聖書の中の言葉でした。
 小林さんは、これによって自殺を思い止まりました。

 そして、再び事業に取り組む勇気を与えられ、
 東京の神田に石けんやマッチの原料取次ぎの「小林富次郎商店」を
 開設しました。

 それが後の「ライオン」へと発展したのでした。



    No discipline seems pleasant at the time, but painful.
  Later on, however, it produces a harvest of righteousness
and peace for those who have been trained by it.

BIBLE(Hebrews 12:11)

 〔すべての訓練は、そのときは喜ばしいものではなく、
  かえって悲しく思われるものですが、後になると、
  これによって訓練された人々に平安な義の実を結ばせます。〕

          聖書(ヘブル人への手紙 12章11節)


 
★福音メッセージ「人生の訓練について」
by danueno | 2011-05-25 15:51 | 編集後記


<< 「SIMの英文法」その90  「SIMの英文法」その89 >>