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「SIMの英文法」その62

            「第3文型」その4


 今日は、第3文型その4です。

 いつものように、ちょっと前回の復習をしましょう。


 前回は、「SIM訳とは何か」について突っ込んで説明しました。

 SIM訳は一見すると、不自然で煩わしい訳に感じますが、

 ここには英語上達の限りない秘訣がある、ということでしたね。


 たとえば、下記の英文と、その訳をご覧ください。


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    Henry Ford used…a new idea…in the manufacturing…of   
 
  machinery.

  ヘンリー・フォードは採用した…新しい考え方を…製造に…機械の

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 このようなSIM訳は、本来他人に見せるためのものでありません。

 自分のために自分の頭の中でするものです。
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 つまり、トレーニングである、ということでした。



 ひとつの例として、相撲の「四股」のお話をしましたね。

 片足を高く上げてバチンと土俵に降ろす四股は、対戦中に

 そのような動作をしないと言う意味で、「不自然」な動作かも

 しれません。


 しかし、そんなことは事の本質と関係ありません。

 不自然であろうとなかろうと、効果的なトレーニングだから

 お相撲さんは四股を踏むのです。


 
 SIM訳も、これと全く同じで、「見せるためのもの」ではなく、

「自分のためのトレーニング」なのです。


 ですから、見かけを気にせずに、どんどん「英語の語順」に忠実に

 理解していってください。


 …ということでした。

 今日はこの続きです。


 では、下記の例文を、今言った要領で「英語の語順」に沿って

 訳してみましょう。

 あらかじめセンスグループで句切ってあります。

 
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  1) He became … a doctor.

  2) He respected … the doctor.

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 1)、2)とも簡単な文です。

 しかし、この二つの英文の “a doctor”“the doctor”には

 日本語のように「に」や「を」の助詞がついていません。


 したがって、私たち日本人がこの英文を読むには a doctor

あるいは the doctorが、「医者に」なのか「医者を」なのか、

判断しなければなりません。


 1)では「に」を補い、2)では「を」をつけ加えることができる、

 というのは、すぐわかるでしょう。

 では、なぜそうなるのでしょう?


 それは、動詞の意味内容がわかっているからです。

 つまり、1)では「彼はなった」ですから、「医者に」であって

「医者を」ではないのです。
 

 ですから、私たちは “a doctor”“the doctor”が「医者に」なのか、

 それとも「医者を」なのかを考える前に、He becameまたは 

 He respected の意味を先に把握しなければならないはずです。


 その結果、1)の He became 「彼はなった」の後には「何に」

 なったのかに当たる語が来ることが期待されます。


 そして、2)の He respected 「彼は尊敬した」の後には「誰を」に

 当たる語が来ることが期待されます。



 ところが、学校英語の「返り読み」式では、このような英文の和訳で

 ちょっと問題が出てくるのです。


 どこが問題かというと…


        …この続きはまた来週!


       …お楽しみに! 
by danueno | 2010-10-20 14:43 | SIMうんちく


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