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「SIMの英文法」その58

            「第2文型」その2 


 前回から始まった第2文型。今日はその2回目です。

 ちょっと前回の復習をしてみましょう。


 <例文>
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   Mr. Smith has been ill for a week.

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 これを「英語の語順」で理解するために、前置詞 forの前で

 句切りましたね。


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   Mr. Smith has been ill … for a week.

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 すると、前半は「スミス氏は、ずっと病気だ…」となります。


 こんな短い文章まで句切る必要があるのか、という疑問の声に対しては、

 Yesでしたね。


 実は、SIM同時通訳方式による訓練は、簡単な短い文章から

 始めなければいけません。


 そこができていないのに、いきなり長く複雑な文章にチャレンジしても、

 うまくいくわけがない、ということでした。


 そして、このような短文にも英語のエッセンスが詰まっており、

 それは、「スミス氏は、ずっと病気だ…」と訳した時点で、

「それは、いつからいつまでなの?」という自然な疑問が起こるはずだ、

ということでした。


つまり、has been ill で句切るからこそ、その後に期間を表現する

副詞句が現れるはずだという事が「期待(anticipation)」できるの

ですね。


そして、for a week を読んだ時に、瞬間的にその期待が充足される、

 という知的な満足感を、脳が味わうのです。

 これが「ネイティブ思考法」の醍醐味だ、ということをお話ししました。



 今日はこの続きです。

 まず例文です。


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    Southern California is a good place to grow oranges.

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 これを、センスグループごとに読んでみましょう。


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    Southern California is a good place …

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 はい、「南カリフォルニアは良い所です」と言っていますよね。

 この前半の意味から言って、後半のto不定詞以下は、

「何々するのに」といった語句が来るのが期待(anticipation)

 されますよね。



 後半を読んでみましょう。

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       … to grow oranges.

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 ですから、「オレンジを栽培するのに」となりますね。


 ここで注目すべきポイントがあります。

「返り読み」をしていては、これほどスムーズな訳ができない、

 ということです。


 なぜなら、「返り読み」で文末から to grow oranges を訳そうと

 した場合、これが「オレンジを栽培するのに」となるのか、

「オレンジを栽培すること」となるのか、あるいは「オレンジを

栽培するために」となるのかは、この時点では全く判らない、

ということです。


 それは、文頭から「英語の語順」どおりに読んで、

「南カリフォルニアは良い所です」という情報をつかんでいなければ、

決して導き出せない訳である、ということなんです。


「返り読み」の不合理さと「SIM同時通訳方式」の優位性が、

 ここでも証明されたわけですね。



        …この続きはまた来週!


       …お楽しみに! 
by danueno | 2010-09-15 15:58 | SIMうんちく


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