目に見えない英文法 補足
前回は、「目に見えない英文法」シリーズの最終回でしたが、 ちょっと書きたいことが出てきましたので、少し補足したいと 思います。 書きたいこととは、「変身する動詞:不定詞」です。 不定詞は動詞が変身の術を使って、名詞、形容詞、あるいは 副詞に変身した姿なのです。 それは意味によって、変身のタイプ(名詞的用法、形容詞的用法、 副詞的用法)が分かれます。 さて、ここで不定詞の名前の由来について述べておきたいと思います。 英文法には、この不定詞をはじめ、いくつかの意味不明の文法用語 がありますね。 たとえば、現在完了形です。 現在完了形では、現在と完了(つまり過去)が同居しているわけですが、 日本人の頭にはなかなかこれがピンと来ません。 不定詞もこれに劣らず、わかりにくいものではないでしょうか。 先にも述べましたように、不定詞はもともと動詞です。 その動詞に、なぜ、不定詞という名前がつけられたのでしょうか。 それは、不定詞になった動詞は、もう動詞ではないからです。 たとえば次の文章をご覧ください。 ----------------------------------------------------------- Men should not offer to shake hands with a lady. 男性は申し出るべきでない…女性に握手をすることを。 ----------------------------------------------------------- この場合の to shake hands(握手をすることを) は、 もう動詞ではなくなっています。 かといって、この場合は名詞的用法ですが、to shake を 名詞と言うこともできません。 …ではいったい何なのか? それを「不定詞」と呼ぶことにしたのです。 なぜ「不定詞」という名前かというと、そもそも動詞とは、 文の中で主語の述語動詞として使われるのが本来の姿です。 その場合には、現在形とか、過去形という特定の形に変形します。 たとえば、三人称単数現在の s が付いたり、過去形の ed が付いたり します。 このように特定の時制をとる以前の形が、辞書に出ている動詞の原形です。 「to + 動詞の原形」を不定詞と呼ぶのは、それが、動詞が 特定の時制をとる前の、不特定の段階の原形動詞を使うからなのです。 これが、不定詞の名前の由来です。 そうして、この不定詞とは、動詞が変身して、名詞的に、あるいは 形容詞的に、はたまた副詞的に使われる、ということなのです。 ところで、動詞が変身する例として、もうひとつあります。 それは何かというと… … この続きは、また次回! …お楽しみに!
by danueno
| 2009-12-22 15:49
| SIMうんちく
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