不定詞の場合
前回にひきつづいて、目に見えない英文法のお話です。 例によって復習しましょう。 「前置詞+名詞」でできている前置詞句が、 ある時は形容詞句になり、ある時は副詞句として使われますが、 その見分け方は?というお話でした。 そして、その区別は「訳をしてからでないとわからない」 ということでした。 再度、例文を見てみましょう。 --------------------------------------------------------------- This is my first assignment to the LA office. --------------------------------------------------------------- 文章の前半が、「これは私の最初の赴任だ…」ですので、 その後に来る前置詞句 to the LA office は当然、 「ロスの事務所への」という形容詞句になる、 ということでした。 次の例文です。 ---------------------------------------------------------------- Mr.Thompson has sent a very important document to the LA office. ---------------------------------------------------------------- 文章の前半は「トンプソン氏は、非常に重要な書類を送った」なので、 to the LA office の意味は、おのずから「送った」を修飾する 副詞句として、「LA事務所に」になる、ということでした。 このように、ある前置詞句が、形容詞句か、副詞句かという 文法上の最終判断は、訳をしなければわかりません。 訳してみなければわからないという意味で、「目に見えない英文法」 と呼びたいと思います。 しかし、問題はこのことに学校英語で全く触れられないことです。 学校英語では「文法がわかれば訳ができる」という前提に立って 授業がなされますので、まず先生は文法の説明を先にします。 「ここは副詞句だから、全体の訳はこうなりますよ…」 という感じですね。 しかしそれでは順序が逆、…ということでしたね。 まず英文の訳をしないと、その前置詞句が副詞句であるか、 それとも形容詞句であるか、全く判らないのですから、 そこに大きな矛盾があるのですね。 …前回はここまででした。 今日は、この続きです。 実はこのことは、不定詞でも全く同じなのです。 ご承知のとおり「to+動詞の原形」を不定詞といいます。 たとえば to buy という不定詞があるとすると、 これが名詞として使われているか、形容詞として使われているか、 それとも副詞として使われているか、 形だけでは誰にも判りません。 やはり訳してからでないとわからないのです。 ここでも、やはり「文法が先」なのではなくて、「訳が先」なのですね。 例文を見てみましょう。 ----------------------------------------------------- I want to buy something nice for my Mother. ----------------------------------------------------- 文頭からセンスグループ(意味の取れるまとまり)ごとに 訳してみると、まず、I want (私はしたい)… となっています。 ですから、次にくる to buy が「買うことを」という、 「名詞的用法」になってくるのです。 全体のSIM訳は、「私はしたい…何か素敵なものを買うことを…母に。」 となります。 これは、to buy が「買うことを」と、 want の目的語となる 名詞のような使われ方をしているので、「名詞的用法」と言います。 ちなみに、不定詞が形容詞として使われる場合を「形容詞的用法」、 副詞として使われる場合を「副詞的用法」と言います。 大切なのは、この例文の場合、絶対に「買うための」というような 形容詞的用法とか、「買うために」という副詞的用法にならない、 ということです。 なぜそうなるかというと、それは「意味からしてそうなりえない」 ということなのです。 このように、あくまで「文法が先」ではなく「訳が先」、 というわけですね。 … この続きは、また来週! …お楽しみに! ■
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by danueno
| 2009-12-02 14:54
| SIMうんちく
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