名訳の問題
「SIMうんちく」では、このところ「SIMの英文法」という シリーズで連載しています。 今日はその3回目で、「名訳の問題」です。 前回は、「翻訳の弊害」というテーマでお話をしました。 …ちょっと復習しておきましょう。 今までの学校英語では、「英語を日本語に訳すこと」、 つまり「翻訳」が英語を学ぶ第一の目的でもあるかのような 教授法がなされてきた、というお話をしました。 これについては批判も多く、だいぶ是正されてきていますが、 しかし、大方は、最終的に日本語に翻訳することを ゴールとしているように見受けられる、 ということでしたね。 その翻訳のための道具として、英文法が用いられています。 いわば、翻訳を上手にするための「うまい訳をするための英文法」 になっている、ということでした。 言い換えると、良い日本語にすることばかりに力が注がれ、 肝心の英語を理解することがないがしろにされています。 実は「英語を理解すること」と、「日本語をうまく練り上げること」 とは全く別のことなのです。 これについては、「名訳の問題」、というものがあります。 皆さんの中にも、「名訳をものにしたい」という願望をお持ちの方が いらっしゃると思いますが、私は「名訳もほどほどに」、 と忠告したいと思います。 それはなぜかというと…? …前回は、ここまででした。 今日はここからです。 なぜ「名訳はほどほどに」と言わなければならないのでしょうか? たとえば、一般的な参考書の模範訳を見てください。 参考書の模範訳というものは、日本語として凝りすぎている結果、 肝心の英語からかけ離れている場合があります。 ためしに参考書の模範訳だけを見て、そこから逆に英作文して、 元の英文と比較してみると良くわかります。 あまりに違うので、「エーッこれが元の英文!」 という場合さえあります。 …これが「名訳の問題」なんですね。 ちょっと考えればわかることですが、 現段階での私たちの目標は、翻訳家になることではありません。 翻訳家の場合は、こなれた美しい日本語で、 英語を和訳する必要があるでしょう。 しかし、私たちの目標はそこにはありません。 私たちの目標は、英文を少しでも速く、そして正確に、 理解できるようになることです。 つまり、名訳である必要はないのです。 むしろ、そこにこだわっていると、本来の英語から どんどん離れていく恐れがあります。 ですから、SIM方式の英文法は、 「速読即解のための英文法」であって、 従来のように「こなれた日本語にするための英文法」 ではないのです。 このポイントを押させておくことが非常に大切ですね。 …この続きはまた来週! …お楽しみに! ■
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by danueno
| 2009-08-05 18:00
| SIMうんちく
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