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「SIMの英文法」その2

 
            翻訳の問題   


「SIMうんちく」では、前回から「SIMの英文法」という

 新しいシリーズが始まっています。


 第一回にあたる前回は、「英文法は不要?」というテーマで

 お話をしました。 

 …ちょっと復習しておきましょう。



 日本人は文法の勉強が好きで、学校英語でも文法の授業には、

 かなりの程度、力を入れている反面、

 実用英語を教える人の中には「英文法は不要だ」と言う人もいる、

 というお話をしました。


その言い分は、「文法など知らなくても会話はできる。

 現に日本語を考えてみても、私たちは文法など気にせずに

 日本語を話しているではないか」ということでした。


 もし、その人たちの言うとおりならば、文法を苦労して勉強するのは、

 確かに馬鹿げたことでしょう。


 なぜなら、それでは「試験のための英文法」「規則のための文法」に

 なってしまうからです。



 このように、英文法の学習については非難されることも多いですが、

 私は一概にそうとばかりは言えない、と思います。


 その理由は、とかく問題視されがちな英文法ですが、

 英文法は使いようで有効利用できるのではないか、と考えるからです。



 ですから、私がこれからお話ししようとする英文法は、

「試験対策としての英文法」ではありません。


 そうではなくて、英語をより早く確実に習得する上で、

「道具として役立てるための英文法」です。


 言ってみれば「英文法を武器にする!」ということです。

 効果的に英語を習得する上で、英文法も使いようによっては、

 不要どころか、またとない武器になりうる、ということですね。



 しかし、話を進めるにあたって、

 前もって注意しておきたいことがあります。

 それは、今までも口を酸っぱくして言ってきましたが、

「翻訳の弊害」という問題です。



 …前回は、ここまででした。

 今日はここからです。


 
 前回ふれました「翻訳の弊害」とは何でしょうか?


 今までの学校英語では、「英語を日本語に訳すこと」、

 つまり「翻訳」が英語を学ぶ第一の目的でもあるかのような

 教授法がなされてきました。


 これについては批判も多く、だいぶ是正されてきていますが、

 しかし、大方は最終的に日本語に翻訳することをゴールと

 しているように見受けられます。


 その翻訳のための道具として、英文法が用いられています。


 いわば、翻訳を上手にするための「うまい訳をするための英文法」

 になっているのです。


 言い換えると、良い日本語にすることばかりに力が注がれ、

 肝心の英語を理解することがないがしろにされている、

 ということですね。


 実は「英語を理解すること」と、「日本語をうまく練り上げること」

 とは、全く別のことです。


 これについては、「名訳の問題」というのがあります。


 皆さんに中にも、「名訳をものにしたい」という野望(?)

 を持っておられる方がいらっしゃると思いますが、

 これについて私は、「名訳もほどほどに」と言いたいのです。


 それはなぜかというと…?







    …この続きはまた来週!


             …お楽しみに!
# by danueno | 2009-07-29 16:04 | SIMうんちく

No.302 オリジナル英文

----------------------------------------
Graffiti Not Always 'Sneaky Art'
----------------------------------------
It used to cost the Chicago mass transit authority $20 million a year to clean up graffiti or rude decorations, that people had spray-painted on subway cars, buses and station signs.

Then the agency got smart.

Instead of just chasing and prosecuting taggers, as graffiti artists are called, it began encouraging and rewarding them.

Wall scratching and unauthorized cave paintings go back to ancient Greece and Rome and beyond.

And keeping one step ahead of the law, while spray-painting messages such as "Freddie Loves Linda" or "Paco Was Here," is a thrill for today's taggers and their friends.

But these painted flourishes infuriate property owners, offend many passersby and make a bus or a subway system or a neighborhood seem unsafe.

When Chicago transit police caught some of these graffiti artists, they found them to be decent kids who were just showing off.

And since it cost a lot of time and money to take them to court, the agency chose seven spots around Chicago, erected huge walls and said, "OK, kids, go at it."

It didn't stop all illegal tagging for sure, but it nurtured an entire community of legal artists who proudly show off their work on the street and online.

Some of their work is even judged by experts, with paid commissions and scholarships to art academies as rewards.

Very few of the legal taggers have been arrested for vandalizing property elsewhere, and the approved walls are almost never defaced by illegal graffiti.

So in Chicago, and now in many other American communities as well, there's a place where you can go and spray "Paco Was Here" - not in the dead of night with one eye out for the cops, but in the middle of the day if you feel like it, with the police looking on, approvingly.

I’m Ted Landphair.
# by danueno | 2009-07-29 15:59 | オリジナル英文

No.302 SIM音読用英文

----------------------------------------
Graffiti Not Always 'Sneaky Art'
----------------------------------------

It used to cost the Chicago mass transit authority $20 million a year

to clean up graffiti or rude decorations,

that people had spray-painted

on subway cars, buses and station signs.


Then the agency got smart.


Instead of just chasing and prosecuting taggers,

as graffiti artists are called,

it began encouraging and rewarding them.


Wall scratching and unauthorized cave paintings go back

to ancient Greece and Rome and beyond.


And keeping one step ahead of the law,

while spray-painting messages

such as "Freddie Loves Linda" or "Paco Was Here,"

is a thrill for today's taggers and their friends.


But these painted flourishes infuriate property owners,

offend many passersby

and make a bus or a subway system or a neighborhood seem unsafe.


When Chicago transit police caught some of these graffiti artists,

they found them to be decent kids

who were just showing off.


And since it cost a lot of time and money

to take them to court,

the agency chose seven spots around Chicago,

erected huge walls

and said, "OK, kids, go at it."


It didn't stop all illegal tagging for sure,

but it nurtured an entire community of legal artists

who proudly show off their work

on the street and online.


Some of their work is even judged by experts,

with paid commissions

and scholarships to art academies

as rewards.


Very few of the legal taggers have been arrested

for vandalizing property elsewhere,

and the approved walls are almost never defaced

by illegal graffiti.


So in Chicago, and now in many other American communities as well,

there's a place where you can go and spray "Paco Was Here" -

not in the dead of night

with one eye out for the cops,

but in the middle of the day

if you feel like it,

with the police looking on, approvingly.


I'm Ted Landphair.
# by danueno | 2009-07-29 15:58 | SIM音読用英文

ゴーギャンの問い

 ゴーギャン展の案内をあちこちで見かけます。

 先日TVで特集をやっていた際、絵にはとんと興味のない息子が、

「あの絵は新宿駅のポスターで見た」と言うほどです。

  http://www.gauguin2009.jp/



 あの絵とは、ゴーギャンの最晩年の大作、

「我々はどこから来たのか、我々は何者なのか、我々はどこへ行くのか」

 です。


 およそ絵のタイトルとして似つかわしくありませんが、

 これは異様なほど強いインパクトを持つタイトルです。


 なぜ、これほどのインパクトを持つのか?

 それは、このゴーギャンの問いが、人間にとって最も根元的な問い

 だからではないでしょうか。


  我々はどこから来たのか…

   我々は何者なのか…

 我々はどこへ行くのか…


 私たちは、その答を知りたくてたまりません。

 しかし、誰もこの問いに答えることができず、問いを発した者は、

 むなしく沈黙の前にたたずむことになります。

 
 それで、ほとんどの人はこの問いにフタをして忘れたふりをします。

 沈黙の向こうには、何か恐ろしいものの気配があり、

 まともに探求しようとする者を不安に陥れます。

 実際、この絵を描いた後、ゴーギャンは自殺をはかりました。



 ですからこの問いは、神様しか答えることができない問いである、

 と私は思うのです。


 旧約聖書の登場人物であるヨブは、全財産と10人の子供を

 1日のうちに奪い去られた時、こう語りました。


  「私は裸で母の胎から出て来た。

   また、裸で私はかしこに帰ろう。

   主は与え、主は取られる。

   主の御名はほむべきかな。」


 ヨブの言葉は、ゴーギャンの問いの答を知った者にしか言えない、

 深い確信と、静かな安らぎに満ちています。



   "Naked I came from my mother's womb, and naked I will

depart. The LORD gave and the LORD has taken away;

may the name of the LORD be praised."

           Bible(Job 1:21)


〔私は裸で母の胎から出て来た。また、裸で私はかしこに帰ろう。
主は与え、主は取られる。主の御名はほむべきかな。」〕
              聖書(ヨブ記 1章21節)



  ※我々はどこへ行くのか?
   「残された命の日数を正しく数える」東海大学名誉教授、
重田定義氏のメッセージです。
   http://www.geocities.jp/hecaress/He/Messages/SgHikazu.html
# by danueno | 2009-07-22 17:07 | 編集後記

「SIMの英文法」 その1

            「英文法は不要?」  



「SIMうんちく」では、今回から「SIMの英文法」という

 新しいシリーズが始まります。


 今日はその第一回で、「英文法は不要?」というテーマで

 お話をいたします。 



 さて、英文法というと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?

 穴埋め問題や書き換え問題などに代表される、試験によく出てくる

 文法問題でしょうか。


 確かに、英検などでは英文法のセクションがありますので、

 その対策のためにせっせと文法問題をやっている人もいるでしょう。


 日本人は文法の勉強が好きで、学校英語でも文法の授業には、

 かなりの程度、力を入れています。


 しかし、一方で、英会話などの実用英語を教える人の中には、

「英文法など必要ない」と言う人もいます。


その言い分をきいてみると、

「文法など知らなくても会話はできるし、現に日本語を考えてみても、

私たちは文法など気にせずに日本語を話しているではないか」

ということのようです。


 もし、その人たちの言うとおりならば、文法を苦労して勉強するのは、

 確かに馬鹿げたことでしょう。


 なぜなら、それでは「試験のための英文法」「規則のための文法」に

 なってしまうからです。


 また、日本人が英会話を苦手とする理由として、

 あまりに文法にこだわり、間違いを恐れるあまりに緊張してしまい、

 スムーズに会話ができないのだ、という人もいます。



 このように、英文法の学習については非難されることも多いですが、

 私は、一概にそうとばかりは言えないと考えます。


 とかく問題視されがちな英文法ですが、英文法は使いようで

 有効利用できるのではないか、と思うからです。



 というわけで、これから何回かに分けて、「SIMの英文法」という

 シリーズで話を展開していくつもりです。


 ただし、私がこれからお話ししようとする英文法は、

「試験対策としての英文法」ではありません。


 そうではなくて、英語をより早く確実に習得する上で、

「道具として役立てるための英文法」です。


 言ってみれば「英文法を武器にする!」といった感じでしょうか。

 効果的に英語を習得する上で、英文法も使いようによっては、

 不要どころか、またとない武器になりうる、ということですね。



 ここで、英文法とは何かを考えるうえで、前もって注意しておきたい

 ことがあります。


 それは、今までも口を酸っぱくして言ってきましたが、

「翻訳の弊害」です。



「翻訳の弊害」とは何でしょうか?

 そのことに関しては次回、ご説明することにします。

    




    …この続きはまた来週!


             …お楽しみに!
# by danueno | 2009-07-22 17:00 | SIMうんちく