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アグレッシブ・リスニング

        期待(anticipation)その3
  


「SIMうんちく」は、アグレッシブ・リスニングについて、

 さらに深く突っ込んだお話を展開していますが、

 前回から、「期待」anticipation についてお話ししています。

 
 ちょっと復習しましょう。

 まず例文です。


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   Henry and Anna Polivoda were active retirees until

 they were hit while out for a walk in their Los Angeles

 neighborhood by a car fleeing police because of missing

 license plates.

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 この英文をセンスグループで句切り、SIM訳を付けて

 読むと下記のようになります。



------------------------------------------------------------

 Henry and Anna Polivoda were active retirees …

  ヘンリーとアナ・ポリヴォダは活動的に引退生活を
  送っていました


  until they were hit …

   彼らがはねられるまでは


    while out for a walk in their Los Angeles

   neighborhood …
 
     彼らのロサンゼルスの家の近辺を散歩中に


       by a car fleeing police …

       警察から逃げていた車に


        because of missing license plates.

       ナンバープレートが無いために(逃げて
        いた)。


----------------------------------------------------------



 さて、英語を理解する上で最も大切なことは、

 フレーズごとに「次はどうなるんだろう!」と、

 先を「期待」しながら順次、理解していくということでした。



 この例文も、下記の表のように「期待」が次々と後に続くフレーズに

 よって「充足」されていきます。



―――――――――――――――――――――――――――――――――
       期 待            充 足
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

  いつはねられたの?   →   散歩中に

  何にはねられたの?   →   逃走中の車に

  何で逃げていたの?   →   ナンバープレートがなかったから

―――――――――――――――――――――――――――――――――



 このように、英語というものは、「期待→充足」という関係の中で、

 はじめてセンスグループ同士が相互につながり、読者の理解が

 成り立っていく言語なんです。


 これをさらに詳しくまとめると、下記のような図になります。

「期待」が括弧の中で現わされています。



―――――――――――――――――――――――――――――――――


  ヘンリーとアナ・ポリヴォダは活動的に引退生活を送ってい
  ました

        ↓


  彼らがはねられるまでは

    (いつはねられたの?)


               ↓


  彼らのロサンゼルスの家の近辺を散歩中に

           (何にはねられたの?)


   ↓


      警察から逃げていた車に

               (何で逃げていたの?)

                 ↓


   ナンバープレートが無いために。


―――――――――――――――――――――――――――――――――



 このように「期待」があるから、センスグループは次々に

 有機的につながって行きます。


 つまり「期待とはセンスグループの接着剤」である、

 ということでした。


 これで、英語を読むときに「期待」(anticipation)が

 いかに重要であるか、おわかりいただけたことと思います。



 …ここまでが前回のお話でした。

 今回は、ここからです。
 


 ところが日本人の場合は、英語を聴いたり読んだりする時、

 この「期待」がなかなかうまくいきません。

 
 もちろん、日本人が日本語を聴いたり読んだりする場合も、

 無意識のうちに、先を期待してはいるんです。


 ただ、これが英語になると、「英語の語順」に慣れていないので、

「期待」することが非常に難しくなります。


ですから、日本人が、英語を聴いたり読んだりするときには、
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
特別に「期待」するための訓練が必要になってきます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 この訓練をする上で最も力のあるのが、スーパーエルマーの

 リスニング強化法「Hop,Skip&Jump」です。


 その中のHopとSkipでは、センスグループごとに内容を理解し、

 さらに積極的に先を「期待」(anticipation)しながら聴く訓練を

 しますので、リスニング力が飛躍的に高まります。


 ためしに、ちょっとHopとSkipを聴いてみましょうか。


下記のページで、中上級者向けスーパーエルマー「CBSコース」

 の中から Angela Brown というトピックの一部を聴くことが

できます。


 ページを開いて、「Hop音声を聴く」「Skip音声を聴く」のボタンを

 クリックしてみてください。

 それぞれの音声が流れます(スクリプトもあります)。


http://www.tokyo-sim.com/front/win02cbs.html




 いかがだったでしょうか? 

 スーパーエルマーの「Hop,Skip&Jump」から、HopとSkipを

 お聴きいただきましたが、どのような感想を持ちましたか。


「ちょっと難しいかな?」と感じるかもしれませんが、

 大丈夫です!


 これはトレーニングですから、今すぐできるというものでは

 ありません。


 スーパーエルマーのHopとSkipで、「期待」(anticipation)の

 トレーニングを積むと、ネイティブを同じ感覚で、

「次はどうなるかな?」とワクワク・ドキドキしながら、

英語を読んだり聴いたりすることができるようになります。


 そうすると、英語のコミュニケーション能力が一気に

 高まりますよ。


 


  
    …この続きはまた来週!



                 …お楽しみに!
by danueno | 2008-10-08 15:46 | SIMうんちく


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