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「保持」(retention)の大切さ  第1回

【今日のテーマ】 

     ●  「保持」(retention)の大切さ  第1回 ●

           

 新しい年になりましたが、今年も頑張って英語学習に励みましょうね。

 でも、いくら頑張るといっても、ただ闇雲に勉強しても効率が悪いです。
 それでは勉強そのものがいやになってしまいます。

 楽しく英語学習を続ける秘訣は、「正しい軌道に乗る」ことです。
 
 英語学習の正しい軌道とは、もちろん「SIM方式」ですね。
 SIM方式で勉強すると、学習が正しい軌道に乗るので、努力がすべて
 生かされて、無駄なく無理なく力が付きますよ。

 今年も私、ダン上野Jr.を信じて、付いてきてくださいね。(^o^)/



 さて、昨年は英語を理解する上で欠かせない「期待」(anticipation)に
 ついて、かなり突っ込んだお話を展開しました。

 英語は日本語と違って、まず最初にS+Vが来て、その付帯状況を後に続く
 センスグループによって説明します。
 
 ですから、その先を「期待」しながら、順次読み進む(聞き進む)ことが
 理解のカギを握るということでしたね。



 では今年最初のテーマです。

 それは前回予告しましたように「保持」(retention)です。

 この「保持」も、とても大切です。

 結論から言いますと、いくら「期待」が大切だといっても、「保持」がなさ
 れていないならば、英語を理解することはおぼつきません。

 それほど重要なのが「保持」(retention)なんです。

 この非常に大事な「保持」とは、一体何なのか…!

 …さっそくご説明しましょう。(^o^)


 まず例文を見てください。
 わかりやすいように、あえて簡単な英文にしました。


---------------------------------------------------------------------
 
 I went to Harajuku to meet with Ichiro the day before yesterday.

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 これにSIM訳をつけてみましょう。


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 I went to Harajuku …
    僕は原宿に行きました
 
         to meet with Ichiro …
            イチローに会うために 
  
              the day befpre yesterday.   
                    おととい。

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 この英文の意味の流れは、次のようになっています。


--------------------------------------------------------------------- 
  
  僕は原宿に行きました → イチローに会うために → おととい。
      A             B         C  
---------------------------------------------------------------------


 このように、英語はセンスグループごとに、内容が次々と展開していく言語
 です。

 上記の例文も、「A→B→C」という意味の流れがあります。

 「保持」(retention)とは、「A→B→C」とセンスグループを順に進む際、
 前のセンスグループの内容をしっかり記憶した上で先に進みましょう、という
 ことです。

 この「保持」が充分になされないと、全文を確実に理解することができません。

 たとえば例文のA「僕は原宿に行きました」の保持が弱いとどうなるでしょう。

 B「イチローに会うために」を経由して、Cの「おととい」まで来たときに、
 「あれっ!どこに行ったんだっけ?」ということになってしまいます。

 すると結局、前のセンスグループに戻って確認しなければなりません。

 前に戻るということは何を意味するでしょうか?

 …それは、あの忌まわしい「返り読みに戻る」ということなんです。

 つまり、「保持」が弱いと「返り読み」という最悪の事態を引き起こしてし
 まうんですね。 :-)ゞ

 ですから、英文を読む際は、センスグループごとにしっかり「保持」をして、
 それから次のセンスグールプに進む必要があるんです。



 いままで勉強した「期待」(anticipation)も、この「保持」(retention)
 の上に成り立っています。

 センスグループごとに先を「期待」しながら進む際も、前の内容をしっかり
 「保持」した上で進まなければなりません。

 いくら「期待」が大事といっても、前のことをどんどん忘れながら先に進ん
 でいたのでは、内容の理解はおぼつきません。

 それはたとえば、ハシゴをかけながら上へ上へと登って行くのに、その
 ハシゴが、かけたそばから外されていくようなものです。

 それでは足場がなくなって転落してしまいますよね。 (^_^;)
 


 実際問題として、先の例文のように短い英文では、前の内容を忘れることな
 どありえないですが、もっと長い英文になると、そういうことは現実に起こ
 りえます。

 たとえば次のような例文です。


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 Pipeline was built in the early 1970's, over the objections of

environmentalists who worried it would destroy fragile tundra.
 
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 SIM訳をつけて読んでみましょう。


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 Pipeline was built in the early 1970's, …
    パイプラインは敷設されました、1970年初頭に

      over the objections of environmentalists …
        環境保護運動家達の反対を押し切って

          who worried it would destroy fragile tundra.
           彼らは、それ(パイプライン)が傷つきやすい
           ツンドラを破壊するのを恐れたのです。 

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 このように文章が長い場合、特に「最初のセンスグループの保持」がとても
 大切になります。

 なぜなら「パイプラインは1970年に敷設された」という内容をしっかり保持
 していないと、文章の終わりの「それが傷つきやすいツンドラを破壊するの
 を恐れた」まで読んだ時に、「アレッ!『それが』って何のことだっけ?」
 ということになるからです。

 それでは、また前に戻って確認することになり、結局「返り読み」になって
 しいます。 (^_^;)



 特に、最初の述語動詞Vは長い文章を読んでいるときに、頭の中で風化して
 しまいがちです。

 なぜなら、日本語では述語動詞Vは最後に来るので、それを待っていれば良
 かった…ということで、Vを保持する力がそもそも日本人にはないからです。

 ですから、この保持(retention)の能力は、意識して訓練しなければなりま
 せん。
 
 最初の述語動詞、そして最初のセンスグループを充分に頭に刻み込んだ上で、
 (つまり、しっかり保持して)その後で、先を「期待」しつつ次のフレーズ
 に進むように心がけましょう。

 そして、途中のセンスグループも、キーワードを意識して保持するように
 努めましょう。

 そのためには、特に最初の内は、各センスグループの「保持」に若干時間が
 かかっても構いません。

 「返り読み」に戻らないために、間違っても先を焦って「保持」が弱くなら
 ないよう気を付けましょう。



 …いかがですか?

 保持(retention)がいかに重要か、よくおわかりになったことでしょう。

 ネイティヴの人たちも皆、(それを意識しているかどうかは別にして)、
 センスグループごとに「保持」(retention)しながら、その先を「期待」
 (anticipation)しつつ、英文を読んだり聞いたりしているんです。(^o^)

 つまり、「保持」(retention)と「期待」(anticipation)はワンセット
 なんです。両方がそろってはじめて、スムーズに英文を理解することができ
 るんですね。



 …しかし、ここでちょっと注意しておかなければならないことがあります。


     それは…

             …この続きは …また次回。

                   お楽しみに! \(^o^)/
by danueno | 2006-02-02 15:38 | SIMうんちく


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