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SIM方式の英会話習得法 その17

今日は、新シリーズ「SIMの英会話習得法」の17回目です。


 前回もお話ししましたが、英語というのは本当に「構築的」な言語です。

 ですから、そのような英語を「返り読み」で読むと、日本語としては何
 だかよくわからない文章になる場合があります。

 ちょっと前回の例文を見てみましょう。



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  One in three U.S. children born in 2000 will become diabetic

unless many more people start eating less and exercising more,

 a scientist with the Centers for Disease Control and Prevention

warns.

              ↓  ↓  ↓
  

 「より多くの人々が食べる量を減らし始めないかぎり、そして、より多く
 の運動をし始めないかぎり、2000年に生れたアメリカの子供の3人に
 ひとりが糖尿病になります、と疾病対策予防センターのある科学者は警告
 します。」


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 これは日本語としては、あまりにゴテゴテした言い回しですね。

 日常的にはこんな翻訳調の言い方はしません… (^_^;)

 同じ内容を、より普通のくだけた日本語で表現すると下記のようになるで
 しょう。


 「2000年に生まれたアメリカの子供の3人にひとりが糖尿病になる
  そうだよ…。

  食べる量を減らしたり、運動をし始めない限りそうなんだって。

  これは疾病予防センターのある科学者が警告している話なんだけど。」


 …とまあ、日本語では3つくらいのセンテンスで表現されるのが自然です。
 
 つまり、これはどういうことかと言うと、英語というものは一文の情報量
 がもの凄く多い、ということなんです。
 
 日本語だと3個くらいの文章に分けられるような内容が、ひとつに凝縮さ
 れるわけですから。
 
 ですから、このような複雑な英文を、音読しながら同時に意味をつかんで
 いくことなど、「返り読み」ではとうてい無理なんです。


 ここで登場するのがSIM同時通訳方式です。

 SIM同時通訳方式とは、英語を英語の語順で「センスグループ」ごとに
 読んでいくというものです。

 ちょっと下記をご覧下さい。

 複雑で構築的な英語も、センスグループごとに分解すればすっきりと把握で
 きます。

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 One in three U.S. children born in 2000 …
  2000年に生れたアメリカの子供の3人にひとりが 

   will become diabetic …
     糖尿病になります 
 
     unless many more people start eating less …
      より多くの人々が食べる量を減らし始めないかぎり

     and exercising more, …
       そして、より多くの運動を(し始めないかぎり、)

        a scientist with the Centers for Disease Control
        and Prevention warns.
      と、疾病対策予防センターの、ある科学者は警告
         します。


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 このようにセンスグループに分解すると、英語というものは文頭から文末
 まで、水の流れのように自然な「意味の流れ」があるんです。


 そして読者は、センスグループごとに読むことで、水の流れに乗るように、
 実に無理なく、この「意味の流れ」をつかんでいくことができるんです。


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<意味の流れ>

    2000年に生れたアメリカの子供の3人にひとりが

               ↓
           糖尿病になります

               ↓
     より多くの人々が食べる量を減らし始めないかぎり、

               ↓ 
      そして、より多くの運動をし始めないかぎり、

               ↓
    と疾病対策予防センターのある科学者は警告します。

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 いかがでしょう?

 非常にすんなりと頭に入ると思いませんか。

 さて、これを冒頭に述べた、くだけた日本語訳と比較してみましょう。

 

 「2000年に生まれたアメリカの子供の3人にひとりが糖尿病になる
  そうだよ。

  食べる量を減らしたり、運動をし始めない限りそうなんだって。

  これは疾病予防センターのある科学者が警告している話なんだけど。」


 
 意味の流れとしては同じですね!

 つまりSIM同時通訳方式は、複雑で構築的な言語である英語を理解する
 場合に、翻訳調の「返り読み」に比べると、ある意味で非常にわかりやすい
 ものだと言えるんです。

 もちろん、最初にSIM同時通訳方式の訳に接した時は、不完全な日本語
 のように感じてとまどうかもしれませんが、これは慣れの問題です。

 SIM同時通訳方式に慣れれば、それが非常に自然で合理的な英語の読み方
 であることがわかるようになります。

       
                 …この続きはまた次回。

                     お楽しみに! \(^o^)/
by danueno | 2005-11-18 13:18 | SIMうんちく


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