今日は、新シリーズ「SIMの英会話習得法」の16回目です。
前回は、日本の英語教育がなぜ音読を重視してこなかったか、その点を 解明しました。 ちょっと復習しますと、理由は次のようにまとめられます。 「返り読み」をさせるために、意味内容を味わうことなく ただ声を出して読んでいるだけの音読になっている。 ↓ それでは面白くないので、生徒も音読に身が入らない。 ↓ だから教育効果も上がらない。 ↓ 音読が重視されない。 では、「面白い音読」とはどういうものなのか? 「教育効果の上がる音読」とは何なのか? 今日は、その点についてお話しします。 答えを言いますと… 要は、英語を音読しながら、同時に意味内容がバンバン頭に入ってくる 読み方であれば良いんです。 すると、音と意味がしっかり結びつくので手応えがあります。 英語を読んだ!という実感、ないし快感を味わうことができます。 それはもちろん、SIM音読しかないんですね。 前回の例文をご覧下さい。 これは、かなり しちめんどくさい文章です。 ---------------------------------------------------------------------- One in three U.S. children born in 2000 will become diabetic unless many more people start eating less and exercising more, a scientist with the Centers for Disease Control and Prevention warns. ---------------------------------------------------------------------- これを「返り読み」で翻訳すると次のようになります。 「より多くの人々が食べる量を減らし始めないかぎり、そして、より多く の運動をし始めないかぎり、2000年に生れたアメリカの子供の3人に ひとりが糖尿病になります、と疾病対策予防センターのある科学者は警告 します。」 いかがでしょう。 この英文はワンセンテンスでありながら、日本語だと3、4個の文章に分け られるような内容です。 それがひとつになっているという、英語特有の非常に構築的な表現になっ ているんです。 ですから、このような複雑な英文を音読しながら同時に意味をつかむこと など、通常は不可能です。 しかし、SIM音読だと、それが容易に可能になるんです。 では以下から、あなたも実際に声を出して、SIM音読をしながら読んで みましょう。 まず、One in three U.S. children … までを音読してください。 そして頭の中で「アメリカの子供の3人にひとりが」と意味をイメージし ます。 …はい、どんな子供なのでしょう。 次を読んでください。 born in 2000… 「2000年に生れた」ですね。 さらに次を読んでください。 will become diabetic… 「糖尿病になります」ですね。 すると、SIM音読だと冒頭を少し読んだだけで、「2000年に生まれた アメリカの子供の3人にひとりが糖尿病になる!」というショッキングな 内容をつかむことができるんです。 読者は、「え、どうして、そんなことになるの?」と、続きを大いに期待 することになります。 では、続きを順次SIM音読で読んでみましょう。 ------------------------------------------------------------------- unless many more people start eating less… より多くの人々が食べる量を減らし始めないかぎり and exercising more, … そして、より多くの運動を(し始めないかぎり、) ------------------------------------------------------------------- …いかがでしょう。 英語は面白いですねー。 読み手の「どうして子供が糖尿病になるの?」という疑問が、次の文章を 読むことでドンドン満たされていくんです。 より多くの人々が食べる量を減らし始めないかぎり そして、より多くの運動を(し始めないかぎり、) う~ん、なるほど、食べる量を減らし、運動をしない限り、子供の3人に ひとりが糖尿病になってしまうんだなー…と、読者は納得するわけです。 さらに次を読んでみましょう。 -------------------------------------------------------------------- a scientist with the Centers for Disease Control and Prevention warns. と、疾病対策予防センターの、ある科学者は警告します。 -------------------------------------------------------------------- 読者はここで、いままでのことが専門家の確かな意見として発せられてい ることを理解します。 つまり、内容の権威付けがされたわけですね。 英語はこのように、あるテーマ(S+V=「子供が糖尿病になる」)が、 続くフレーズによって次々に解説され、深められ、強化されていくという 非常に構築的に構成された言語なんです。 ここに英語の妙味があるわけですが、それは同時に、英語を日本語に訳す 時の難しさにつながります。 つまり、日本語はそれほど構築的な言葉ではないので、同じ内容を日本語 に翻訳すると、非常にゴテゴテした理解し難い文章になるんですね。 「より多くの人々が食べる量を減らし始めないかぎり、そして、より多く の運動をし始めないかぎり、2000年に生れたアメリカの子供の3人に ひとりが糖尿病になります、と疾病対策予防センターのある科学者は警告 します。」 まあ、これがいわゆる「翻訳調」のお硬い文章であるわけですが… (^_^;) …この続きはまた次回。 お楽しみに! \(^o^)/ TOEICの切り札
by danueno
| 2005-11-11 17:57
| SIMうんちく
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