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「人生の空しさは神様を受け入れるためのポケット」

 「空の空」という言葉から語り始める書物があります。

 こんな感じです…。

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  空の空。伝道者は言う。空の空。すべては空。
  日の下で、どんなに労苦しても、それが人に
  何の益になろう。

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 何とこれは、深い人生のむなしさを感じさせる言葉では
 ないでしょうか。

 仏教では「色即是空」という言葉がありますので、
 仏教系の書物かと思いがちですが、そうではありません。

 これは聖書の中の「伝道者の書」という書物の一節です。


 伝道者の書は、ソロモン王によって書かれました。
 ちょっと続きを読んでみましょう。


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伝道者である私は、エルサレムでイスラエルの王であった。
私は、天の下で行なわれるいっさいの事について、
知恵を用いて、一心に尋ね、探り出そうとした。

私は、日の下で行なわれたすべてのわざを見たが、
なんと、すべてがむなしいことよ。風を追うようなものだ。

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 以前にもご紹介しましたが、ソロモン王はこの世の
 ありとあらゆるものを手に入れることができた人物です。

 大金、数え切れない女性、快楽、神殿建設の大事業、
 ビッグビジネス、貿易、豪邸、宮殿、大庭園、あらゆる食物、
 地位、名誉、栄光、知恵…。


 しかし、それらのものをどれほど多く手に入れても、
 ソロモン王は心の中のむなしさを解消することができなかった
 のです。

 結論として、ソロモン王は次のように述べています。


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  結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。
神を恐れよ。神の命令を守れ。
これが人間にとってすべてである。

             (伝道者の書 12章13節)

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 ソロモン王は、結局、「神様に出会うことである」、
 と結論づけたのです。


 17世紀フランスの哲学者パスカルは、
「人間の心の中には神のかたちをした空洞(God-shaped vacuum)
があるので、神様を求めなければ、空しさは消え去らない」
 と言いました。

 私達の心にある空洞は、神様によってしか埋まらない、
 ということです。


 ですから、「人生の空しさは神様を受け入れるためのポケット」
 とも言うことができるでしょう。

 このポケットが大きければ大きいほど、
 その人は神様に近いのです。
 


      "Vanity of vanities," says the Preacher;
"Vanity of vanities, all is vanity." What profit has
  a man from all his laborIn which he toils under
  the sun?
             BIBLE(Proverbs 1:2,3) 
  

 〔空の空。伝道者は言う。空の空。すべては空。
  日の下で、どんなに労苦しても、それが人に
  何の益になろう。〕
             聖書(伝道者の書 1章2,3節)
by danueno | 2011-09-28 16:25 | 編集後記


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