「SIMの英文法」その19

             不定詞の場合 


 前回にひきつづいて、目に見えない英文法のお話です。

 例によって復習しましょう。



「前置詞+名詞」でできている前置詞句が、

 ある時は形容詞句になり、ある時は副詞句として使われますが、

 その見分け方は?というお話でした。


 そして、その区別は「訳をしてからでないとわからない」

 ということでした。


 再度、例文を見てみましょう。


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   This is my first assignment to the LA office.

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 文章の前半が、「これは私の最初の赴任だ…」ですので、

 その後に来る前置詞句 to the LA office は当然、

「ロスの事務所への」という形容詞句になる、

 ということでした。



 次の例文です。

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 Mr.Thompson has sent a very important document to the LA office.

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 文章の前半は「トンプソン氏は、非常に重要な書類を送った」なので、

 to the LA office の意味は、おのずから「送った」を修飾する

 副詞句として、「LA事務所に」になる、ということでした。


 
 このように、ある前置詞句が、形容詞句か、副詞句かという

 文法上の最終判断は、訳をしなければわかりません。


 訳してみなければわからないという意味で、「目に見えない英文法」

 と呼びたいと思います。


 しかし、問題はこのことに学校英語で全く触れられないことです。

 学校英語では「文法がわかれば訳ができる」という前提に立って

 授業がなされますので、まず先生は文法の説明を先にします。


「ここは副詞句だから、全体の訳はこうなりますよ…」

という感じですね。


 しかしそれでは順序が逆、…ということでしたね。

 まず英文の訳をしないと、その前置詞句が副詞句であるか、

 それとも形容詞句であるか、全く判らないのですから、

 そこに大きな矛盾があるのですね。



 …前回はここまででした。

 今日は、この続きです。



 実はこのことは、不定詞でも全く同じなのです。

 ご承知のとおり「to+動詞の原形」を不定詞といいます。


 たとえば to buy という不定詞があるとすると、

 これが名詞として使われているか、形容詞として使われているか、

 それとも副詞として使われているか、

 形だけでは誰にも判りません。



 やはり訳してからでないとわからないのです。

 ここでも、やはり「文法が先」なのではなくて、「訳が先」なのですね。


 例文を見てみましょう。

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   I want to buy something nice for my Mother. 

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 文頭からセンスグループ(意味の取れるまとまり)ごとに

 訳してみると、まず、I want (私はしたい)…  

 となっています。


 ですから、次にくる to buy が「買うことを」という、

「名詞的用法」になってくるのです。


 全体のSIM訳は、「私はしたい…何か素敵なものを買うことを…母に。」

 となります。


 これは、to buy が「買うことを」と、 want の目的語となる

 名詞のような使われ方をしているので、「名詞的用法」と言います。


 ちなみに、不定詞が形容詞として使われる場合を「形容詞的用法」、

 副詞として使われる場合を「副詞的用法」と言います。



 大切なのは、この例文の場合、絶対に「買うための」というような

 形容詞的用法とか、「買うために」という副詞的用法にならない、

 ということです。


 なぜそうなるかというと、それは「意味からしてそうなりえない」

 ということなのです。



 このように、あくまで「文法が先」ではなく「訳が先」、

 というわけですね。

 

      … この続きは、また来週!  



               …お楽しみに! 
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by danueno | 2009-12-02 14:54 | SIMうんちく


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