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「SIMの英文法」その8 

      「英語の思考法」vs「日本語の思考法」   


「SIMうんちく」では、このところ「SIMの英文法」という

 シリーズで連載しています。

 今日はその8回目で、「英語の思考法」vs「日本語の思考法」です。



 前回のテーマは、「日を現す表現」でした。

 ちょっと前回の復習しておきましょう。


 私は前回、「大人には大人の学習法がある」ということを

 お話ししました。


 大人には子供にない大きな長所があり、それは、物事を

 論理的に考えることができる、ということです。


 この論理的な思考のために非常に有効なのが「英文法」です。



 たとえば、「おととい」の表現ですね。

 まず“the day”をサッと出しましょう。


 そして、それを説明するために、“before yesterday”を

 付け加えます。


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  おととい

    = the day(その日)+ before yesterday(昨日の前の)

    =  the day before yesterday

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「あさって」は、どうでしたか?覚えていますか。

「あさって」は、「その日」+「明日の後の」ですね。

すると、こうなります。



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  あさって

    = the day(その日)+ after tomorrow(明日の後の)

    =  the day after tomorrow

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…いかがですか?

 これが「論理的思考」ということでした。


 論理的思考というのは、いくらでも応用が利くと言うことです。


 基本形をしっかり押さえた後は、ある法則に基づいて、

 どんどん応用していける、ということです。


 つまり、日を表す表現を、「the day+形容詞句」という基本形で捉えて、

 後はその応用で考えるということです。

 これが、大人の学習法なんですね。



 …前回は、ここまででした。

 今日はここからです。



 今まで説明したことを、別の角度から少し詳しくお話ししましょう。

 事の本質は、「英語の思考法」vs「日本語の思考法」なんです。



「おととい」と英語で言うには、まずthe dayをサッと言っておいて、

「その日」がどんな日かを説明するために、before yesterdayと言うのだ

と話しましたが、この発想はなかなか日本人にはできませんね。


なぜなら、日本人は「日本語の思考法」をするので、「おととい」を

日本語に翻訳して「昨日の前の日」と日本語の順序にして捉える

からです。


日本語では、「昨日の前の日」ですが、

英語では「その日」+「昨日の前の」です。


つまり、説明される語句と、説明する語句が日本語と英語とでは

逆になっています。


これは、今まで何度も言っていることですが、「思考順序が逆」

なんです。


日本人にとって、英語が難しく感じられる原因がここにあります。

つまり、「おととい」を「昨日の前の日」と「日本語の思考法」で

捉えてしまうこと、ここにすべての原因があるのです。



結局、「日本語の思考法」とは、「日本語の語順で考えてしまう」

 というクセなんですね。


 日本人は英語をinputするときも「日本語の思考法」に従って、一旦、

 英語の語順を崩して、日本語の語順に置き換えて理解しようとします。


 …これが諸悪の根元なんです。


 まあ、このことは当メルマガ読者の皆さんなら、全員ご承知のことと

 思います。


 ところが、今回私が強調しておきたいのは、文章単位の長い英語表現

 だけではなく、非常に短い英語表現の中にも「英語の思考法」が

 必要だということです。


 つまり、「語順の置き換えを止めましょう」という当研究所の主張は、

 長い「文章」のレベルにとどまるのではなく、もっと短い「句」や「節」

 にもあてはまるのだ、ということですね。



  

         …この続きはまた来週。
 



               …お楽しみに!
by danueno | 2009-09-16 16:28 | SIMうんちく


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